「オペレーター」(洋画風)

A・・・・(パイロット)

B・・・・(オペレーター)

(場面設定)

Aは機体を操縦し、今から戦地に赴くところ。Bはその補佐を遠隔で行うオペレーター。


パイロット(男)×オペレーター(女)

A「こちらホワイトタイガー八号機。現在北部基地を出発。天候は快晴、視界良好」
B「こちら本部了解」
A「お、初めて聞く声だな。新入りか? ねーちゃん」
B「最期に聞く声になりたくなければ、目と耳だけを動かすことをおすすめするわ」
A「口だけの男って言われてるからな、あいにく目も耳も役に立たない」
B「そう。レーダーのモニターを見てくれる? 今座標を送ったわ。赤い点がわかる?」
A「ああ、って、ずいぶんとデカいな」
B「役に立たない目でもわかるように、特大マーカーにしておいてあげたわよ」
A「ああ、そりゃどうも」
B「そこがブルードラゴン隊から最後に救難信号をキャッチした地点になるわ。多少移動している可能性もあるから、ある程度近づいたら目視で確認してもら――」
A「おい」
B「何?」
A「ありゃなんだ? 進行方向1キロくらい先の地点に飛行体が数機見える。形からするにウチのやつじゃねえみたいだが」
B「飛行体? レーダーには何も映ってないけれど」
A「見える。1、2、3……6機はいるな」
B「多分ステルス機体ね。レーダーに映らない奴だわ」
A「どうする? 迂回するか?」
B「救助対象のブルードラゴン隊の補給物資はもう尽きている。怪我人がいた場合、手遅れになるわ。道草を食う時間はないの」
A「マジかよ。今日は朝飯抜いてきたんだ」
B「今日の晩ご飯はさぞおいしいでしょうね。レーダーに映らない以上、こちらからの戦闘サポートはできないわ」
A「おいおい、マジで最後に聞く声になりそうだな」
B「だから、あなたが目で見た情報を口で伝えて。それらを基にオペレーティングする」
A「正気か?」
B「口だけは確かなんでしょう?」
A「こりゃ死んだわ」
B「死なせないわ。生きて戻ったら天使よりも美人に会えるわよ。機体の特徴を教えて」
A「あー……、赤っぽいカラーリングで、銃を持ってる。銃口は長くて、馬……? みたいな顔だな」
B「データベース照合したわ。それは旧型モデルで。東国のアヅチ軍が使っていたモデルよ。特徴として銃弾は強力だけれど、リロードに時間がかかるから、三機一組で順番に銃を撃つみたいね。撃ち終わった機体が狙い目よ」
A「もう特定したのか」
B「顔だけじゃなくて、腕も確かなの、私」
A「そりゃ、楽しみだ」
B「あなたは口だけ?」

A「まさか。パイロットを任されるだけの腕はある。あとは顔もな」

B「素敵。それではこれより作戦を開始します。目標は飛行群体の突破。健闘を祈る」

A「ホワイトタイガー八号、了解。これより状況を開始する」

 

狙い

洋画っぽい言い回しと、文脈の裏に潜む男女の駆け引きをうまく引き出して欲しい。

やり方など

・パイロットは普段自分に自信がないが、機体搭乗時のみ性格をスイッチしている

・パイロットは自分が捨て駒にされていることを理解している

・オペレーターはパイロットを捨て駒にすることが目的

・オペレーターの恋人が今回の救援対象である

・オペレーターはパイロットの幼なじみ。しかしながら声で自分だとは気づいてもらえていない


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