「男飯」(日常系)

A・・・・(男)

B・・・・(男)

(場面設定)

男たちが料理をしている


兄(A)×弟(B)

A「おい、薄力粉と強力粉は何が違うんだ? 強いのか? 非力なのか?」
B「兄貴、邪魔するなら座っててよ」
A「何を。働かざるもの食うべからず。自分の食い扶持くらいは働くさ」
B「オムライスに小麦粉はいらないから」
A「これ小麦粉なのか。なんで二種類もあるんだ」
B「早くそれしまって。ええと、卵は」
A「お、卵を割るのか? あれやりたい。兄ちゃんあれ、片手で割る奴」
B「できるの?」
A「できる、多分」
B「どっちなの?」
A「ん」
B「そんな自信満々に手を差し出されても。……はい、殻入ったら責任持って除去してよね」
A「まかせろ。女の子を扱うようにやさしく、あ」
B「へえ、彼女にそんな乱暴してるんだ?」
A「違うぞ。おかしいなあ」
B「殻。ちゃんと取ってよね」
A「はい。ん、む、んん? こいつ、すばしっこい……おい」
B「ちょっと」
A「あ、はい。すみませんが、卵の殻を取っていただけないでしょうか」
B「はあ、じゃあこっちのタマネギ、……やっぱいいや」
A「どうして今言いかけてやめたのかな?」
B「どうせ兄貴にみじん切りなんて繊細なこと頼んでも無駄だろうし」
A「いやいやいや、やってみないとそれはわからないだろ」
B「さっきわかったじゃん」
A「む。とにかくやるだけやってみる。半分。半分なら挑戦してもいいだろ?」
B「じゃあ、やってみて」
A「ええと、ここをこう切って、こう、こう、お? なんか楽しい――あいた! 痛い痛い痛い! 目が痛いなんだこれ痛い想像より痛い」
B「うっさい!」
A「だってよお」
B「しかもこれみじん切りっていうか、ただの乱切りだし」
A「頑張ってみたんだぞ、兄ちゃんこれでも」
B「働く者に食う権利があって、頑張ればいいというわけではない」
A「すいません。でもできる仕事をいただければ働きます」
B「じゃあ、ごはんよそってきて。フライパンに入れるからこの皿に二人分」
A「あいよ。……ん? んん?」
B「どうしたの?」
A「あのな、兄ちゃんどうやら炊飯器のスイッチを入れ忘れてたみたいだ」
B「兄貴」

A「はい」

B「今日の昼飯はラーメンになりました、が。兄貴の分はありません」
A「そんな」
B「働かざる者?」
A「食うべからず。腹減ったよ、ちくしょー」

狙い

兄弟だが、奔放な兄と淡々とした弟のキャラの対比を見せる台本。弟の言い方だけで淡泊になりすぎないように兄が引っ張る必要がある。オチにつながるため「働かざる者~」のフレーズはしっかりと聴衆に聞かせる必要がある。

やり方など

・兄は料理をやってみたい

・兄は弟にいいところを見せたい

・兄は普段から弟に冷たくあしらわれており、自分の分の食事が出てくるのか心配

・兄と弟は異母兄弟であり、互いに距離感が計れていない

・兄、あるいは弟は他方に恋心を寄せている(BL)

・弟は兄のことを疎く感じている

・弟は死ぬほどオムライスが好きだった(今日はオムライスの舌)

・弟は兄に唯一の自信料理であるオムライスを食べさせたかった


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