「どうしようどうしよう、今日の授業の予習ノート忘れちゃった。多分ていうか絶対今日板書当たるよね? 今日は十三日だから出席番号方式なら多分当たるよね。でもあの先生気分屋だから居眠りしている生徒が居ればそっちに行くはず。お願いします神様、周囲のみんなに強烈な睡魔をお願いします。それか教室が爆破しますように」
焦りからかとんちんかんなお願いをしてしまうという台本上の演出がある。最後に脈絡のない「爆破」という強いワードがあるからうまくそれを立てたい。「よね」が二回続くところもうまく活用できれば。
「当たれ当たれ当たれ当たれ。抽選発表は今日のお昼十二時、昨日までに部屋の掃除は済ませて一日中換気はしたし、電車で座席も譲ったし、道路に落ちてたゴミを拾ったし、逆に落ちてた500円玉は見ないフリしたし。善行は積んだ。善処はした。あとは天命を座して待つだけ。いや立ってるけど今。ああ、あと何をしたらいいの、そうだ募金してこなきゃ」
「たし」が続いてリズムは作りやすい、その後「した」が二度続いたのちのノリツッコミ。うまく台本の勢いを演技に活かしたい。最後の「そうだ募金してこなきゃ」だけがリズムから外れているので、この台詞の使い方が肝要。勢いのまま行くのか、逆に落とすのか。
「ふふふ、給料日まであと五日(ごにち)、お財布の中身もあと五百円。死ぬ、死ぬわこれ。あれあそこにあるのって。宝くじ、五等、五万円? これだわ。当たりますように、じゃなくて当たれ。今この町において一等の一千万じゃなくて五等をこれほど渇望している人間が私以外にいる? そうよね、私たち手をつなげるはずよね宝くじちゃん。すみません一枚ください」
宝くじ屋を見つけるという動作や感情を前半でうまく出しつつ、後半は「意志の強さ」のような感情乗せ、高めた末に最後は買いに行くという台本。陰の感情を最後に陽の感情にしたり、焦りや苦しみを最後の台詞で解放することで(その後外れる)という台本外のシーンとの落差によるオチとなる。
「嘘、このくじに選ばれたら死んじゃうの? やだやだやだ当たりたくない、当たりたくないよ。そうだ、私の代わりに誰かが当たれば、だめそんな考え方しちゃ。考えるのよ私、たとえ当たったとしても死なない方法を。生き残るために頭を働かせるの。身代わり。そうだわ、他の人の当選ナンバーを手に入れてうまくすり替えることができれば。やるしかないわ」
焦り→ひらめき→決心 というシンプルな三段構え。シンプル故に特筆することはない。キャラクター性に全振りした演技ができれば。