「おともだち」(畏怖レベル)

語り手・・・少女

聞き手・・・人外

(場面設定)

少女はおともだちに話しかけている。「おともだち」は喋れないので、言語を使わない心の通じ合いを描く。

少しずつ「恐怖度」をあげていく設定。


「すごい泥んこ。お風呂に入ったほうがいいよ。せっかくの毛並みが泥で台無しだもん。お風呂は嫌い? ……えへへ、私もだよ。お母さん、たまにお風呂入れるの失敗するからお水のお風呂になってるときがあって、ひゃって、つま先から飛び上がっちゃうの。そうだ! 一緒に入ろうよ。私、お風呂入れるの上手だから、きっと気持ちいいよ」

狙い

身近の生物が相手。子供のあどけなさに重点を置いた台本。身体ごと動いて説明しているのか、それとも軒下などをのぞき込みながら言ってるのか、抱っこしながらなのか等、動きや距離感を意識。最後の「きっと気持ちいいよ」のところは少女→お風呂に意識が向く 猫→うんざりした顔 など、キャラ同士の感情の対比を出していいし、直接猫に向けてもいい。


ロボット

「コンニチハ? ……うーん、これで合ってるのかなぁ? おーい、起きてるー? 壊れてはなさそうだし、どこかにスイッチが……きゃっ! びっくりした。ゴメンゴメン、驚かせるつもりはなかったんだ。目が赤く光ってる……もしかして、怒ってる? あ、白くなった。アリガトウ? あのね、あなたを起こしたのはね、鉱山の瓦礫を動かして欲しいからなんだ。手伝ってくれる?」

狙い

自分がびっくりさせられた直後に驚かせたことを謝ることでものすごく好感度を稼ぐシーン。最後の台詞も「手伝ってくれる?」と、暗に一緒に協力したい(ロボまかせにするつもりはない)点を出しているところが好感度。冒頭の「コンニチハ?」は起動(反応)したらいいなー、の目的で発せられている。二度目の「アリガトウ?」は伝わってる-? の戸惑いを想定。


おばけ

「ひゃっ! な、何よ。おばけのくせに、べ、別に怖くはないわ。今のは、そう、あくびよ! あくび! 最近寝不足だったから。どうして寝不足か知りたいでしょう? それはあなたを探してたからよ! 幽霊屋敷のミスターゴーストってあなたのことでしょう! 見つかったのならもう観念なさい。今から私たちはトモダチよ! だからその、急に驚かすのはナシにしてね?」

狙い

おばけが怖くないと自己暗示するうちにトモダチになってしまう流れになるという自爆の台本。虚勢虚勢虚勢からの「急に驚かすのはナシね?」とかわいいおねだりのギャップで(萌え的な意味で)落とす台本。


ドラゴン

「ドラゴンさん。ドラゴンさんは、私みたいな子供を丸呑みにするって、みんな大人たちが言ってます。私を食べるなら、もう少し大人のレディになってからのほうがきっとおいしいと思います。それまでは、その、あ、そうだ。私おいしい木苺がなってる場所を知ってます。ドラゴンさんじゃちょっと大きくて入れないけど、いっぱい取ってきます! また明日来てもいいですか?」

狙い

生け贄に出されたのかな? の台本。子供がおそらく人間の何倍もの寿命がある存在に駆け引きをしているが、幼子ゆえに提示条件が甘いよねえ、といった感じ。それでも「明日来てもいいですか?」と、2キャラの関係性がどうなるか聴衆に期待させることをメインとしている。明日がないはずの少女は当たり前に明日を口にするところが少女。言葉に恐怖を交えてもいいし、逆に恐れなくてもいいが、巨軀と少女の体格差(距離感)はしっかり意識すること。


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