「新刊告知」(CM)

(場面設定)

書籍の新刊について書店で流れるプロモーションムービーのようなものや、テレビCMなど


文芸

「あなたは世界の終わりに、誰といたいですか? ――あの『ファーストラブ』の作者・青空はるが贈るSFラブストーリー。世界を終わらせるボタンを作った天才少年・セカイとその起動キーを飲み込んでしまった少女・アオバ。鍵を吐き出すためにアオバが出した条件は――『愛を教えてください』。青空はる作・『アオイセカイ』。好評発売中」

狙い

キーフレーズ→前作(売れたやつ)と作者名を出すことの宣伝効果→主要人物紹介→その台詞で引き込み→タイトル というシンプルな構成。冒頭と結末が文中の文章で挟まれているので、どう使うか。


実用書

「全世界7000万人が読んだビジネス書の決定版! ストリートで靴磨きをしていた少年が、いかにしてニューヨークで年間1億ドルを動かすようになったのか。その半生から学ぶ『お金に愛される体質』になるためのカギは、たった3つのシンプルな法則だった。ケビン・エバンス著・『靴磨きは輝いた』――ようこそ、あなたも成功者だ」

狙い

「7000万人が」「決定版!」「1億ドル」「たった」「シンプルな」と立てやすいフレーズは随所に散りばめているが、すべては最後のフレーズを立たせるための布石。「これを読めばあなたも、成功者への仲間入り」という意味合いだが、意味が通りづらくなるまで極限まで文字を削ることであえて「ひっかかる」ようにしている。


絵本

「さみしがりやのプゥは、大きなかいぶつに出会った。――と思ったら、ぬけがらだった。『あははは、ガオー。かいぶつだぞー! ぼくはもう何もこわくないぞー』ぬけがらにすっぽりはまったプゥの毎日が激変する。おふとんをかぶって読んでください。『かいぶつになったプゥ』」 

狙い

 冒頭の語り→からの裏切り(落差ポイント①)→台詞(落差ポイント②)と、変化をつけやすい形にした。商品コンセプトである「おふとんをかぶって読んでください」という点から、①寝物語目的であること ②消費者ターゲットは親であること をきちんと読み取れるか。また幼児には少し難しい「ぬけがら」というフレーズをしているところに、絵本自体の狙いもある点も注目。


コミック(男性ver)

「俺が全部まとめてキレイにしてやらぁ! ――世界中に蔓延る『モンスタ』たちを一掃する俺たち『スイパーズ』の戦いを描いた『MONSUS(モンサス)』最新17巻が、白金出版(しろがねしゅっぱん)より絶賛刊行中だ。俺のすごい活躍も載ってるから、絶対買ってくれよ? そんじゃ、俺はモンスタを狩ってくるから、感想はまた後で聞かせろよな?」

コミック(女性ver)

「その汚れ、すぐに落としてしまいましょう。 ――世界中に蔓延る『モンスタ』たちを掃除する私たち『スイパーズ』の日々を描いた『MONSUS(モンサス)』最新17巻が、白金出版(しろがねしゅっぱん)より絶賛刊行中です。今回の内容はなかなかの激務でした。時間外労働はしたくないんですけれど。それでは、私は忙しいので、書店で見かけたら買っておいてください」

狙い

後ろで主題歌が流れているタイプのCMを想定。全編キャラの台詞になっている。冒頭と最後で違うタイプの感情を乗せた台詞を配置。また、冒頭の台詞はこのキャラの名台詞なので、ファンサービスとしての側面があることを意識。口調としては低音ボイスでも高音ボイスでもいける汎用的なものにした。


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