「森の番人」(ワイルド)

語り手・・・森を住処とする女性

聞き手・・・森を訪れたモノ


止まれ!

「おい、お前。ここから先は我ら森の民の領地だ。人間が足を踏み入れて良い場所ではない。今すぐ引き返すがよい。止まれ! 言葉が聞こえないのか。止まれ。そこより三歩進んだら服従の意思はないと見做す。そうか。ならば、我らが森の流儀にて出迎えるとしよう。皆の者、牙を奮え! 狩りだ! 安心するが良い、お前の毛一本に至るまで、森は無駄にはしない」

狙い

「警告の度合いの変化」「語る対象への変化(身内と部外者)(方向と距離)」をうまく使い分けたい。また「森」という主語が通常とは違う意味合いを持っているので、そこもうまく立てたい。最後の台詞で慈悲深さや生き様等、キャラクター性を立てることができる。


森の精霊

「わたくしはこの森を百年守っています。そなたたちが母の胎内に宿るずっと前からここで過ごしてきました。それを今更森を明け渡せと? 舐めた口を利いてくれる。そなたたちの村が今日(こんにち)まで飢えることなく過ごせてきたのは誰がおかげか? 森の恵みを享受しておきながら虫のいい話だこと。今すぐこの森から出て行きなさい」

狙い

静かな怒り。「舐めた口を利く」という表現だけが他の上品さのある台詞と明らかに「色」が違うため、この台詞をうまく切り替えとして利用したいところ。


やめろ!

「やめろ! やめてくれ! 私たち森が何をしたというのだ。ああ……、百年杉が燃えてしまう。火を、火をつけないでくれ! 森を燃やさないでくれ! あの木は動物たちが寝床としていたんだ。この森が焼けてしまったら、私たちはどこで暮らせばいいんだ。許さない。お前達の顔、覚えたからな。私に牙と爪がなかろうと、八つ裂きにして殺してやる」

狙い

この少女が、「今森を燃やされている最中に」この台詞を吐くということは、この少女の安全性だけは担保されており、人間として扱われており「お前は森とは別なんだよ」という認めたくない事実を突きつけられいてる状況にある――というキャラ背景まで読むことが出来るか読解力を問う台本。


ハンティングなう

「はっはー! いいぜ逃げな逃げな。この森は隅から隅まであたしの庭だ。おっといいのかい? そこは足場が悪くなっててね、……崩れやすくなってるんだよ。この森に迷い込んだ時点でアンタに逃げ場なんてないんだ。もう追いかけっこは終わりにするかい? いいねえ。その目。生きるのを諦めた奴を狩っても楽しくないからね。あたしも久々に楽しめそうだ」

狙い

愉快な感情を出しつつも、まだ本気ではないキャラが、最後の台詞でさらに本気度を上げる台本。もともと高い水準にあるテンションをさらに高くするという点が課題。それはそれとて、距離感や土砂の崩壊、相手が睨んで立ち上がる等、自キャラ以外の動きも加味するという基本的な部分は疎かには出来ない。


← ひとり用台本に戻る

← 台本置き場に戻る