「動物番組」(VTRナレーション)

動物モノのVTRに音声を当てる際の台本


新聞犬(明るめ)

「秋田犬のリュウゴウ君は、家族の中でも一番の早起き。毎朝、玄関のポストに投入された朝刊をリビングまで運ぶのは、彼のお仕事です。お父さんが朝刊を読み終わるまでの間、じっとそばで待っています。でも次第に待ちきれなくなったのか、しっぽがそわそわ。ようやくお父さんが新聞を読み終わったようです。ご褒美のジャーキーをもらって、リュウゴウ君、ご満悦でひと鳴き。でもお母さんに怒られてちょっとシュンとしてしまうのでした」

狙い

「朝」「新聞」「ご褒美」「ご満悦」といったワードをちりばめており、「家族」というテーマからも「明るい」色の台本になっている。万人に向けたボイスサンプル向け、基本の台本


鳥vsヘビ(心配)

「母鳥がくわえたミミズを、三つ子のひな鳥たちが狭い巣の中で取り合いの大喧嘩。その背後から、にょろりにょろりと迫る、一本の影。にじり寄るその正体は、アオダイショウ。ずるずると這うように木の幹を昇って、巣のほうへと近づいていく。狙いはひな鳥だ。鋭い眼光と牙が迫る。母鳥は子供達に夢中でそれに気づけない。ああ、早く気づいて。と、ここで木の葉が揺れた。気づいた。飛びかかるアオダイショウ。母鳥は必死に爪と翼で子供達を守る。果たして雛鳥たちの命運は――」

狙い

緊張感を少しずつ高めるように前半では擬音を多用。アオダイショウの正体については言及していないため、映像として姿の一部だけが映されて「アオダイショウ」の部分で全容が明らかになるカメラワークを想定。後半は短い構文を多用し、スピード感を高めている。低い男性の声質ならば演じやすい台本。


ハムスター引越し(微笑ましい)

「うんしょ、うんしょ。ハムスターのリク君は冬ごもりの準備中。飼い主の遠藤さんが用意してくれたティッシュを箱から一枚ずつ取り出しては、巣に持ち帰っています。あれー、置いたらどっかいっちゃうよ-。ま、いっか。よいしょ、ここから新しいのを、あ、また飛んだー。もー。ま、いっか。よいしょよいしょ。遠藤さん、うっかりリク君のケージを暖房の真下に置いちゃったみたいです。うんしょ、あー、またー。ま、いっか。こっちでお昼寝しちゃおー。リク君、お引っ越しを決めたようです」

狙い

ほのぼのした雰囲気のナレーション。女性のほうが演じやすい内容になっている。ナレーション部分と、動物としてのキャラナレの部分の使い分けが必要。ハムスターが必死に動く様を出しやすいよう「うんしょ」「よいしょ」を多用。また、ハムスターなので「口にくわえる」または「口にため込んでいる」演技をしてもよい。ハムスター自身も「まいっか」と気にしない性格であるキャラ設定となっている。


長寿ネコ(悲しみ)

「8月18日。よく晴れた日に花ちゃんは虹の橋を渡りました。花ちゃんが我が家に来てから19年と3ヶ月。人間に換算したら90歳のおばあちゃん猫です。ここ最近は自分ではグルーミングができなくなってしまい、飼い主の橋本さんがブラッシングをしてあげてました。縁側の日向で橋本さんと過ごす時間が、橋本さんも花ちゃんも大好きでした」

狙い

動物が飼い主の元から空に旅立つことを「虹の橋を渡る」という表現があるそうです。ボイスサンプルにする場合を考えて「亡くなる」「この世を去る」といった表現を避けるために使用しています。最後に「大好き」というワードを持ってきているのは、その大好きが「ブラッシングの時間」と「花ちゃん自身」「橋本さん自身」のそれぞれに掛かるようにするためです。


← ひとり用台本に戻る

← 台本置き場に戻る