「企業CM」(CM)

各企業のCM


ホテルCM(上品)

「中央駅から徒歩5分。エレベーターを昇った先に楽園は待っています。地上13階から見下ろす絶景と上質な空間。食事は国内の新鮮な食材を使ったバイキング、貸し切り露天風呂も完備。あなたの旅に癒やしを。ホテル・グランドスカイ」

狙い

「楽園」「絶景」「上質」等、高級感を引き立てるフレーズや「バイキング」「貸し切り露天風呂」といった商材ポイント、「あなたの旅」という焦点から、待ってる側のメッセージととれるよう配置。「食事は」というフレーズを設置していることで、一時的に「止め」の構文になっていることも注目して欲しい。「食事は」を抜いた際にどう変化するのかやってみるとわかるかと思う。


食器洗剤(元気)

「毎日の食器洗い、油でベトベト、スポンジでゴシゴシ、もうヘトヘト。そこで新しくなった食器用『アブラオチール』! 洗い桶にワンプッシュ垂らして置いておくだけ。お水だけで汚れがスルスル落ちていきます。もうスポンジ洗いは必要ナシ。アブラオチール」

狙い

冒頭からのオノマトペ三連が特徴。元気のよさはさることながら、CMの対象として「奥様方」が予測されるため、「毎日の~」であったり、「垂らして放置」でよかったり、奥様方に寄り添った情報の部分をうまく立てていきたいこと。後半部分も「スルスル」が前半の対比になっているし、「必要『ナシ』」の部分をどう表現するかもポイント。当然最も立てるべきは商標である。


エンディングノート(静かに)

「人生の終わりを見つめて、ペンを執る。必ず来るその日のために、あなたが伝えたいことはなんですか? 大切な人、あるいは自分自身に遺したいメッセージをエンディングノートの中に閉じ込めて、限りある今を見つめ返しませんか。人生を綴る、オワリ文具」

狙い

文調としては、語りかける体をとっている。「なんですか」「見つめ返しませんか」と「~か」の構文が連続で続くため、ここでどう差をつけるか、あるいはつけないかといったところ。また、「ノートの中に閉じ込めて」と詩的な表現をうまく使いたい。「閉じ込める」と「綴じ込める」というダブルミーニングにもなっている。最後の店名は老舗感を出しているので、企業イメージを考えるという点も大事。


キャットフード(キャラナレ)

「まーたサバ缶。人間の健康によくても、毎日毎日サバ缶ばっかりじゃ、オイラ真っ青になっちゃうにゃー。たまにはハンバーガーとかピザとか食べたいにゃー。ネコちゃんだって、ジャンクしたい。キャットジャンクフード」

狙い

ネコ→人間の切り替えがある台本。切り替えないのも一手。ネコの台詞は「オイラ」「にゃー」と人称と語尾でわかりやすく特徴をつけている。また、ハンバーガーとピザについてネコが知っているのか、うろ覚えなのかといった設定でも遊べる。「ジャンクしたい」という造語もポイント。


化粧ブランド(伝記もの)

「タナカミチコは、ひとりの男を愛していた。しかし、天は重く厳しい現実を彼女に突きつける。事故で伴侶を失ったミチコは生涯独身を貫いた。亡き夫の名前をつけたブランド『シゲル』。その創始者ミチコの波乱に満ちた一生に迫る。雑誌ヒューマン、創刊」

狙い

タナカミチコの人生に興味を抱かせたら勝ち、の精神で書かれた台本。「彼女がいかに旦那を愛していたか」という焦点とともに、「旦那の死」というインパクトと、短文の中で情報をパンクさせて、続きは雑誌を買わせるという狙いの台本。癖が強いナレーションができる。


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