「花鳥風月」(朗読)

 

 

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「花に顔を近づけてみると、ふっと鼻をくすぐる香りがします。近くで見れば、花弁に行き渡る筋が、茎を覆う産毛が、重なり連なる葉っぱたちが、生きている、と感じることでしょう。花に挨拶をしましょう。普段は足下の遠いところに咲く花にも鼻を突き合わせるくらい目線を合わせて、親しんでみるところから、花鳥風月ははじまるのです

狙い

「ハナ」のイントネーションの使い分けを目的とした台本。鼻は平板型、花は尾高型。しっかりと使い分けたい。「生きている」の一言でうまく落差をつくることを想定している。また最後の一文によりこの台本は「序幕の語り」や「オープニング」の属性として、期待感を煽るような読み方ができればグッド。


「空を飛ぶ鳥の背中はどうなっているのかな? 下から見上げるとおなかしか見えないけれど、太陽はずっと鳥の背中しか見えてない。わたしと太陽で居場所を交換したら、鳥の背中を見ることができるかもしれない。でも太陽のところまでのぼるのは疲れるから、鳥にたまには飛ぶときにさかさまに飛ぶようにお願いしたほうが早いかもしれない。落ちちゃうかな?」

狙い

疑問符や場面転換を使いこなすタイプの台本。急に太陽と居場所を交換するという突拍子のない内容をうまく使いたい。最後は無邪気と残酷のバランスで色が出せる。


「風は運んでくる。種を、波を、空気を、雲を、わたしを。わたしはどこに向かうのだろう。どこに行けないのだろう。この風は追い風? 向かい風? 風に尋ねる。風はわたしの頬を撫でるだけだ。耳の穴を頭まで抜けていくだけだ。風は答えない。わたしが風に応えるだけだ。風よ、風。吹けよ、吹け。わたしはおまを乗りこなす。どこまでだって行ってやろう」

狙い

リズムと刻みをテーマにしつつ「わたしを」で一度落ちる。ここで緩急をうまくつけたい。途中で五感に訴える描写もあるため、そちらもうまく活用したい。「わたしが風に応えるだけだ(=堪える)」のダブルミーニング。詩のように朗読することを想定した台本だが、このキャラは風に乗せられるだけの前半から、風に乗るという成長を見せる、短いなりにもシーンとして構成されている。


「月は欠けるし、雲に隠れるし、見えなくなるからこそ、人は月に焦がれたのでしょう。月のない夜(よ)に空を見上げてしまうのでしょう。生涯に幾度月を拝むのでしょう、あと何度残されているのでしょう。わたしが月になったら、きっと悲しむでしょう。泣いたように見上げてしまうのでしょう。涙はこぼしてください。月はまた満ちます、きっと」

狙い

語尾の繰り返しでリズムを作っているが、単調にならないように技量が試される。そして最後はリズムを崩しているので「聞かせる台詞」である。


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