「上辺の」(本音と建前)

 

(場面設定)

上辺の会話をしているふたり。


主婦×主婦

A「あらぁ、こんにちは」
B「あらぁ、こんにちは」
A「最近暑かったり寒かったりで勘弁してほしいわねえ」
B「そうですねえ。季節の移ろい? っていうのかしら、目まぐるしいわよねえ」
A「朝から晩まで炊事掃除洗濯買い物と家事にてんてこ舞いなんだからねえ」
B「ええ、季節くらいは落ち着いてくれたらいいのにねえ」
2人「おほほほほほほほほ」
A「ところで、最近ちょっとお綺麗になったんじゃなぁい?」
B「あら、わかる?」
A「ええ、もちろん」
B「まー、ありがとう。そうなのよ最近お手入れの仕方を変えたのよ」
A「ええとってもお綺麗よ」
B「そうなの、化粧水をね——」
A「お庭のパンジー。前までなかったわよね、黄色いの」
B「ええ、最近植えたのよ。うまく咲いてくれてよかったわ」
A「あら、ごめんなさい、今何か言いかけてたかしら」
B「いいえ何も。あら、そういえば庭いじりしているときによくお見かけするけれど、ご主人、いつも朝早くに帰ってきて大変ねえ」
A「ええ、ウチの人、最近は夜勤に入ることが多いのよ」
B「そうなの。大変ねえ」
A「稼いできてくれてるからいいんだけどねえ」
B「それでも毎朝タクシーで帰ってくるのは、なかなかの出費じゃないの?」
A「ほら、寝不足で運転させたほうが怖いから」
B「まー、旦那さん思いなのね」
A「昼間はずっと寝てるから、静かに家事をしなきゃで、もう大変」
B「思いやりが溢れてて素敵だわ。ウチなんか『掃除機がうるさいぞ』なんて言って、あー、私も嫁思いの旦那さまが欲しいわねえ」
A「何よ、ウチの人だって夕飯までずっと寝てるだけだし思いやりなんてないわよ」
B「あら! いつもタクシーに『ふたりで』乗ってタクシー代を浮かせたりしてるんですもの。家計のことを考えてるいい旦那さまじゃない」
A「ん?」
B「ところで、最近は女の人も夜勤に入る時代になったのねえ。ご主人は医療関係でしたかしら?」
A「あー、会社の方針であまり職種が話せなくって」
B「そうなのねえ」
A「そうだわ、今ローストチキンを焼いてて手が離せないんだった」
B「あらやだごめんなさい。私も長話しちゃった」
A「ううん、あなたもお庭の途中だったわよね。話のほうに花咲かせてないで、花壇のお手入れにどうぞ戻られて」
B「ええ、そちらもしっかり見とかないと。焦げちゃってたらいけませんから」
2人「おほほほほほほほ」
A「それじゃごきげんよう」
B「ええ、ごきげんよう」

狙い

主婦と主婦がマウントを取り合ってるが、上辺ではそんなことないみたいな会話。花壇の手入れ(花壇の土=おめえの顔面に水足してこいや)やチキンが焦げてる(おまえのニワトリ=旦那、もう焦げ付いてんだろ浮気の火で)みたいな。そんな感じの含意を考えながら台本に臨みたい。冒頭と結末の「おほほほほ」でしっかり変化をつけることで、シーンが成立する。

Bの「あー、私も嫁思いの旦那さまが欲しいわねえ」は、反撃の狼煙となる撒き餌である。

やり方など

・AはBにマウントが取りたい

・AはBが嫌いだ

・AはBに主婦としての指南をしたい

・BはAにマウントが取りたい

・BはAに褒められたい

・BはAの旦那と不倫状態にある


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