「鑑定」(駆け引き)

A・・・・(持ち込みしている)

B・・・・(買取側)

(場面設定)

AはBに買取を依頼している


売る人×買い取る人

A「それで本日は何をお売りいただけるのでしょう?」
B「そんなに急かさないでくだせえよ。目利きのダンナなら一目でわかる代物でさあ」
A「ほう」
B「これですわ」
A「これは」
B「わかりますかい?」
A「ええ、わかりますとも。これはまた随分なものをお持ちになりましたね」
B「まあ、例によって入手ルートは極秘なんですがね」
A「商売人の一番の財産ですからね」
B「それでダンナの一番の財産のその鑑定眼ではどうなんです? って聞くまでもねえか。せいぜい色をつけてくだせえよ」
A「まあ、待ちなさい。ふむ」
B「焦らさないでくれや」
A「鑑定というのはモノとの対話なのですよ」
B「へっ、モノの声が聞こえたんならおれだって探す手間が省けるんですけどねえ」
A「静かに」
B「へいへーい」
A「終わりました」
B「それで、いくらで買ってくれるんで?」
A「1000パーツです」
B「1000パーツぅ?」
A「あ、色をつけたほうがいいんでしたね、では1050パーツで」
B「おいおい冗談きついぜダンナぁ。1000パーツなんて、ガキがピクニックに持って行くおやつ代じゃねんだ」
A「1050パーツなのでオイルキャンディーなら3つは買えますよ」
B「そういうことを言ってるんじゃなくてよお」
A「実際のところ」
B「なんだよ」
A「その素晴らしい技術に敬意を表して、色をつけてキャンディーが3つ買えるようにしたんですよ」
B「何が言いたいんだよ」
A「原材料のコストが回収できてよかったですね」
B「なっ」
A「すばらしい飴細工でした」
B「ダンナの目ん玉こそ飴細工になったんじゃねえの」
A「お売りになりますか?」
B「なるか」
A「そうですか、ではまたのお越しをお待ちしております」
B「二度と来るかばーか」

狙い

 Bは冒頭ではかなり下手に出ているが、鑑定中、金額提示、鑑定後とコロコロと感情が変わる。そしてその変わる感情を手のひらで転がすのがAであり、Bに投げつける言葉の一言一言に重みがある(言葉を切っていたり、投げかける問いかけは「お売りになりますか?」以外ない)ところをしっかりとキャラクターとしても出したいところ。

 いずれにせよ、Aは安く買いたい、Bは高く売りたいという各々のキャラクターの目的がぶれないように演じたい。相反する目的を持ったキャラクターのぶつかり合うシーンであり、当シーンの決着はBが売らないという結果に終わっている。これを「Aの勝利」ととるか「引き分け」ととるか。読解も試される台本。

 また架空の単位「パーツ」と架空の名称「オイルキャンディー」について、しっかりと聴衆に聞かせる必要があり、単位の価値説明として「ガキのピクニック〜」がある。演技とは別に世界観説明にあたる台詞はそれはそれでしっかり立てなければならない。

やり方など

・Aは持ち込まれた品が贋作であると考えていない

・Aは持ち込まれた品の真贋が判別できていない(ハッタリをかましている)

・Aは持ち込まれた品よりもBを追い返すことを目的としている

・Bは持ち込んだ品が贋作であると認識している

・Bは持ち込んだ品の価値を理解していない

・Bが持ち込んだ品は揮発性のある毒物を含んでいる

・Bは取引の様子を自らのボスに聞かれており、(成功or失敗)を狙っている


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