「通販番組」(ハイテンション緩急)

A・・・・(女性、通販番組司会者

B・・・・(男性、通販番組司会者)

(場面設定)

絶対に売れないと思っていても、絶対に売るしかない真夜中に働く奴らの台本。


司会者(女)×司会者(男)

A「金曜日の真夜中からコンニチハ。クレイジーショッピングのお時間です」
B「今日もあなたの生活にジャストフィットな商品を紹介していきます」
A「ねえ、聞いて私困ってるの」
B「どうしたんだいハニー」
A「私すっごく困ってるの」
B「それはすっごく大変だ」
A「ああ、神様こんなとき、こんなとき『網戸に挟まった煤汚れを私は汚れずに綺麗にできる便利な道具』があればいいのに」
B「ははは、ハニー。そいつは無茶な注文だよ。おおっと、これはなんだい?」
A「なあに、それは?
B「うわお、これは『網戸に挟まった煤汚れを僕は汚れずに綺麗できる便利な道具』じゃないか」
A「なんてこと。ああ、私さっそく、その『網戸に挟まった煤汚れを私は汚れずに綺麗にできる道具』を使ってみたいわ」
B「まあ待ちなよハニー、僕がまずこの『あみ」
A「『網戸に挟まった煤を」
二人「『綺麗にできる道具』」
A「(笑う)」
B「(笑う)」
A「じゃ、貸して」
B「いいや僕が使うんだ」
A「私のよ」
B「僕のだ」
A「待って」
B「どうしたんだい、ハニー」
A「どうしましょう。網戸がないわ」
B「なんてこった! ああ、せっかくこの『網戸に挟まった以下略な道具』を試せるチャンスだったのに」
A「ええ、その『網戸ブラシ』を試せるチャンスが、待って。この赤いボタンは何?」
B「おいおいおい、そいつは自爆スイッチってやつじゃないのか?」
A「そんなまさか、ポチッとな。きゃあああああああ」
B「迷いなく押したねハニー。おお、見てごらん。『網戸をアレする道具』から煤汚れが逆噴射だ」
A「逆噴射ボタン! 網戸を汚すのにもピッタリね」
B「そう、これでこの」
二人「『網戸に挟まった煤汚れを私(僕)は汚れずに掃除できる道具』」
B「を心ゆくまで試せるってわけだ」
A「一つで二役なんて、なんてクレイジーな道具なの」
B「クレイジーに欲しくなってきただろう?」
A「ええ、クレイジーに欲しいわ」
B「こうしちゃいられない。お求めは、今すぐお電話だ。ええと、お電話番号、8181,9014」
A「ハイハイ、クレイジー」
B「あなたの生活を、もっとクレイジーに」
A「お電話、お待ちしております」

狙い

もうとにかく「やって楽しい」っていう、ストレス発散の機能を備えた台本に仕上げました。演技上のテーマとしては『緩急』『力の入り抜き』。各者の動きも、オーバーにしたりしなかったり、言葉も長ったらしい商品名や「クレイジー」という番組名(当然放送するからにはどちらも立てるべきワード)を上手に使いつつ、互いの息を合わせなければ一瞬で崩壊する台本。「はははハニー」や「煤汚れ」など、滑舌難易度も少し足してあります。

やり方など

・AとはBは同期入社のタレント。(仲良し、あるいは蹴落とし合う関係)
・AよりBのほうが先輩の力関係(もしくは逆)

・A、もしくはBは商品が売れると思っていない

・A、もしくはBは商品が売れるとマージン(設け)が入る

・逆噴射によりA(あるいはB、もしくは双方)が汚れた

・Aは終始ローテンション。(※高難易度と思います)


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