「バウムクーヘン」(BL)

A・・・・(新郎)

B・・・・(友人代表)

(場面設定)

Bはずっと片思いしていたAから、結婚式に呼ばれた。


新郎(男)×友人(男)

A「よっ、今日はありがとな。来てくれて。仕事忙しかったろ?」
B「別に。ちょうど有給も余ってたし問題ないよ」
A「ちょっと付き合えよ。コレ」
B「タバコか? 式が終わったとはいえ、奥さんのところにいてやらなくていいのかよ」
A「ばーか、嫁のやつがタバコはやめろやめろってうるさくてなぁ。最後だ。わがまま言ってもバチは当たらんだろ」
B「そうだな」
A「(たばこを咥えながら)んで、おまえはどーなのよ?
B「何が?」
A「(煙を吐いて)結婚。いいぞぉ。なんつーか、世界が変わる」
B「だろうな」
A「一番の友人としては、俺はお前にも幸せになってもらいたいわけよ」
B「幸せの絶頂にいるやつに言われても皮肉にしか聞こえねえな」
A「ま、実際幸せですし? まあ、ちゃんとお裾分けしてやったろ、ほれ」
B「ん?」
A「それ。引き出物。嫁が今時古くさいだとか言ってたけど、バウムクーヘン。好きだったろ?」
B「ああ、軽いなとは思ったけど。バウムクーヘンだったのかこれ」
A「なんだと思ったんだよ」
B「お前ら二人の顔写真でも入った皿かと思ったよ」
A「ぶはっ。それこそいつの時代の引き出物だよ」
B「それだったらうっかり手を滑らせて割ることもできたのにな」
A「うわぁ、タチ悪ぅ。昔はあーんなに可愛かったのにな」
B「はあ?」
A「バウムクーヘン。俺が学食で買ったやつ食べてると、お前いつも物欲しそうに見てきてたじゃん」
B「あれはそんなんじゃ」
A「はいはい。昔は半分しかあげれなかったけど、喜べ。お前専用のバウムクーヘンだぞ」
B「阿呆か。ガキじゃあるまいし。バウムクーヘンくらいで喜ぶかよ。それに他の参列者にも配ってんじゃねーか」
A「いんや? バウムクーヘンはお前だけだぞ? それなー、高かったんだぞ-。なんか専門店のやつで」
B「なんだよ俺だけって」
A「……まあ、嫁さんが選んだやつだから味に間違いはないはずだ」
B「なら安心だな。お前昔から味オンチだからな」
A「はあ? 俺は結構グルメなんだぞ」
B「はいはい。ほら、奥さん待ってるぞ」
A「あ、やべ。タバコ一本分って言って抜けてきたんだった。そんじゃ、今日は来てくれてありがとな」
B「おう、おめでとう」
A「もし二次会来れそうになったらいつでも連絡してくれ」
B「ああ、また連絡するよ。……見てたのはバウムクーヘンなんかじゃねえよ、馬鹿」

狙い

恐怖や命乞いの演技が肝となる台本。終始恐怖に徹するもよし、途中までは威勢を見せてもよし。何度も懇願することになるが、それぞれにどう変化をつけるのか。最後の「畜生」にどのような感情を込めるのかが、ポイント。諦めや怒り、絶望、色々考えられる。逆に拷問する側は嗜虐心をどう表現するかが楽しい。

やり方など

・AはBが質問の内容を知らないことを知っている

・Aは血を見るのが苦手、もしくは拷問することに抵抗を感じている

・AはBから答えを聞き出さないと、自分が死ぬ

・Bは質問に答えると別勢力によって殺される

・Bの夢はピアニスト(つまり手が命)

・Bはマゾ。痛めつけられることに快感をおぼえている


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