「ヒーロー」(特撮もの)

語り手・・・ヒーロー(単騎)


登場!

「待たせたな! 助けを呼ぶ声があれば、いざ駆けつけよう。正義の印は燦々と、みんなを照らす正義の使者『太陽マン』見参! この俺が来たからには、悪事の「あ」の字も許さないぜ! さ、今のうちに逃げてください。よってたかって悪事を働く悪党どもめ、天高く見下ろすお天道様はどんな悪事も見逃さない。いざ神妙にお縄につきやがれ。誅伐いたす」

狙い

和のテイストの前口上が特徴の台本。うまくリズムを作りたい。途中で被害者側に語りかける台詞を配置しているので、差別化によるギャップをつけやすくしている。あえて事務的に言うだとか、焦って言うだとか極端な色つけも面白いかと。最初の「待たせたな」で聴衆を引き込みたいところ。


必殺技

「博士! スペシャルバスターの使用許可を! 危険なのはわかっています。でも、ここでアイツを倒さないと、この町のみんなが危険なんです。町が3割吹き飛ぶ? 必要な犠牲ですよ。倒せずに五割が犠牲になるよりは、え、僕がバスターを乱射したら八割に跳ね上がる? おおっと、通信電波が。かくなる上は、エマージェンシーチャージ! バスター構え、照準、前方ヨーシ!」

狙い

馬鹿にミサイルを持たせてはいけない。

3割→5割→8割、と少しずつ上げていき、「電波が」で、一旦「止め」を入れて、最後に最高潮。リズムを作りやすい台本。

敵ではなく前方を狙ってしまう「ただ撃ちたいだけのハッピートリガー」というキャラを掴んだ上で、このキャラが何のために博士と通信しているのかという点と、通信越しである演技をうまく乗せたい。


ピンチ

「っく、ヒーローエナジーが切れそうだ。急いで補充をしないと。あと一撃でも喰らったら、ヒーローモードが……誰だ! って、博士ですか。驚かさないでくださいよ。エナジードリンクを持ってきてくれたんですか。……うっ。誰だ、お前。博士の偽物? ヒーローモードが。博士を、本物の博士をどこにやった。ぐっ。俺は、ヒーローなんだ」

 

狙い

脚本上、「ヒーローモードが切れる」と暗示したら「切れる」。その前振りにあたる部分は聴衆にしっかりと聞かせる必要があり、「一撃もらう」の受ける表現も、因果と結果としてしっかりと聞かせる必要がある。構成上必要なワンシーン。それはそれとして演技のやりがいとして「誰だ」「ヒーローモードが」という対比台詞を配置した。冒頭は走って(動き)もよいし、足を引きずるなどの静かな演技でもよいと思う。


大逆転

「このときを待っていた。月が雲間から覗くとき、月光戦士もまた光輝く。クレセントマン、ここに推参。散々いたぶってくれた礼、尽くしてお返しいたす。日が落ちきるまで弱者を虐げた報いを受けるがよい。お前たちが最後に見るは、朝日ではない。我が三日月よ。太陽マン、手を貸そう。お前も私に輝きを貸してくれるな? さあ、共に行くぞ」

狙い

さっきまで甚振られていた一般人が、実はヒーローだった(同業者)ときのやつ。「お前」という呼びかけで差別化を図るのがポイント。名乗り口上の部分など様式美を取り入れつつ、このヒーローは自分自身のためではなく、太陽マンを助けるために立ち上がったヒーローであることを念頭に。


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