語り手・・・高校生、あるいは中学生。
聞き手・・・恋愛の相談相手(同級生)
(場面設定)
放課後。教室の中で。
「どうかな、今度は成功してると思うんだけど。え、硬い? だって仕方ないよ。恋のおまじないには満月の夜に一晩中火にかけながら相手の名前を千回唱えなきゃいけないんだもん。どうしたの? ああ、大丈夫。昨日は満月じゃなかったから、今食べてる奴は問題ないよ。バレンタインまでの満月は明後日しかないんだから、頑張らないとね」
平気でまじないチョコを他人に食べさせて「大丈夫」と言ってしまうあたりの「恋は盲目」というところでキャラクター性を出したい。また徹夜をしたという点や、千回名前を唱えた点(喉の涸れ)も表現のポイント。
「ねえ、知ってる? 南校舎裏の『恋桜』。毎週木曜日の放課後に、誰にも見られずにその木の下で告白したら叶うっていうジンクス。そう、そうなんだ、来週告白しようと思って。それで相談なんだけど……え? 違う違う。当日北校舎あたりでなんらか問題を起こしてくれればいいの。小火(ぼや)でもなんでもいいからさ。とにかく、恋桜には私と彼しかいない。いいわね?
「髪の毛が欲しいの。言葉足らずだったわ、私じゃなくてね。家系的にハゲることはないから大丈夫よ。これを見て。可愛らしいぬいぐるみでしょう。この子に好きな相手の髪の毛を入れて肌見離さず持ち歩くと恋は実るらしいの。だから彼の髪の毛を手に入れるアイデアを……なるほど。部活の更衣室ね。忍び込むのはアリだけど、別の男子の髪の毛だったらどうしましょう」
「ご報告があります。実は恋愛成就のおまじないとして話題の『ラブラブさん』を只今実践中なのですが、最近身の回りで変わったことはありませんか。特に? うーん、おまじないの効果が薄かった? せっかく効力を確かめようと思ったのに。ううん、なんでもない。もしかしたら、いつも一緒にいるし変な影響が出てないか気になっただけだから。なんでもないから」
・聞き手との間柄は。十年来か、入学からか
・語り手は聞き手に対して回答を求めているか
・聞き手を実兄に置き換えてみる
・聞き手を本命に置き換えてみる